2024年10月の記事一覧

校長日誌 学校説明会

令和6年10月26日(土)学校説明会、授業公開、部活動見学を行いました。多くの中学生、保護者の方に御来校いただきました。ありがとうございます。中学3年生は来春、同じ体育館で入学式を迎えられることを切に期待しています。

校長日誌 書道部教育長表敬訪問

令和6年10月18日(金)この夏に行われた全国高等学校総合文化祭・岐阜大会で文化庁長官賞を受賞した書道部八下田さんが本大会等で高い成績を収めた他校の生徒らと教育長表敬訪問をしました。八下田さんから大会の様子や作品作成の苦労などの報告のあと、教育長からお祝いの挨拶をいただきました。教育長室に展示されている県展写真部門入賞作品がたまたま八下田さんをフォーカスして撮った写真であったため、教育長のご厚意で教育長室での写真撮影もさせていただきました。

結果報告 記念写真撮影 教育長室で懇談

校長日誌 第3考査

令和6年10月18日(金)2、3年生の第3考査が始まりました。1年生は月曜日からです。日頃の学習の成果を存分に発揮してください。また、結果に一喜一憂することなく、冷静に受け止め今後の対策や方針を練りましょう。

校長日誌 2年生保護者のための進路勉強会

令和6年10月12日(土)PTA進路委員会主催、2年生保護者のための進路勉強会が行われました。まず、これからの進路指導の予定や進路に対する心構えなどを学年主任、学年進路担当から伝えました。その後、進路指導主任から来年度の大学入試に向け、受験方法の変容やそれに対応する考え方など、受験に向けた話をしました。沢山の保護者の方にご参加いただきました。ありがとうございました。また、企画運営されたPTA役員の方々、ありがとうございました。

校長日誌 人権教育講演会

令和6年10月10日(木)人権教育講演会を行いました。元ニューヨークタイムズ記者、現経営支援NPO会員の井上 真己子さんを講師に迎え、「私たちが人権について知っておくこと」という演題で御講演いただきました。取材経験を踏まえた身近な人権についてお話しいただきました。人権の世界共通の課題、日本独特な課題など、具体的な事例に基づいてお話しくださり、大変考えさせられる内容でした。講演の最後に川女生に送っていただいた「目の前にいる人をリスペクトしましょう」という言葉を胸に刻み、これからも人権を尊重した円滑な人間関係を作っていきましょう。井上様、ありがとうございました。

校長日誌 パリパラリンピック日本代表西田杏選手報告会

令和6年10月6日(日)開会式で旗手を務めたパリパラリンピック競泳日本代表、本校卒業生の西田杏選手が本校を訪問し、パリ大会の報告をしていただきました。レース前日に体調を崩し、個人競技では思ったような結果を残せなかったとのことですが、最後に出場したメドレーリレーでは日本新記録で7位入賞を果たしたことのほか、選手村の食事のことや他国の代表選手との交流、そして次の挑戦に向けた決意などをお話しいただきました。また、学校にということで、トビウオジャパンの有田焼の皿をいただきました。職員玄関前に飾る予定です。西田選手お疲れ様でした!


同窓会長、吉川奨学財団代表理事、在学当時の学年の先生らと


有田焼の皿 右斜め下に西田さんのサイン

校長日誌 後期始業式

令和6年10月1日(火)後期始業式を行いました。ようやく爽やかな日和となったので、今回は体育館に全校生徒が一堂に会する集会形式で行いました。校長講話の後、進路指導部主任からは各学年それぞれの「目線」の置き方について、生徒指導部主任からはSNSの匿名性と責任について等の講話をしました。後期も引き続き、しっかりと学校生活を送っていきましょう。

 
校歌斉唱   校長講話

以下は、校長講話の要旨です。表示されない場合は<続きを読む>をクリックしてください。

 

校長講話要旨

 皆さん、おはようございます。

 先日行われた紫苑祭では、紫苑祭実行委員会や生徒会をはじめとする生徒皆さんの協力で、素晴らしい文化祭を実施することができました。2日間合計で9,500名を超える来校者があったにもかかわらず、混乱なく実施できたのは皆さんがよく考えて計画し、運営したからだと思います。ありがとうございました。
 先輩達から引き継いだノウハウに加え、世の中が刻々と変わっていく中で、昨年とは異なる運営であった部分も多く、これらに対応するためにおそらく多くのことを考えざるを得なかったと思います。新しく取り組むものには正解がありません。

 先日、図書館で内田樹(たつる)氏の「勇気論」という新刊を見つけ、手に取りました。「勇気」について、様々な視点から往復書簡形式で議論を深める内容です。
 その中の一節で、内田氏は『孟子』公孫丑章句(こうそんちゅうしょうく)の前半部分を取り上げていました。

 公孫丑章句(こうそんちゅうしょうく)の前半部分は、孟子の弟子の公孫丑(こうそんちゅう)が「動じない心」について聞く部分から始まります。孟子は北宮黝(ほくきゅうゆう)という、市井の人でも、君主であっても、恥辱を受ければ刃を向けられるといった血も涙もない動じない心を身につけた人物や孟施舎(もうししゃ)という敵がどんなに多くても臆病におびえないという心を身につけた人物の例を挙げます。
 その後に、孟子は、孔子に「「大勇」とは何ですか」と聞いたことがあるという話をします。そのとき、孔子は「自(みずか)ら反(かえり)みて縮(なお)からずんば、褐寛博(かつかんぱく)と雖(いえど)も吾(われ)惴(おそ)れざらんや。自(みずか)ら反(かえり)みて縮(なお)ければ、千万人(せんまんにん)と雖(いえど)も吾(われ)往(ゆ)かん。」と言っていたよ、というところで前半は終わります。

 孔子が語った部分を内田氏は「自分に理がないと思ったら、相手がぼろをまとった卑しい人間でも私はおそれる。自分に理があると思ったら、千万人が立ち塞がっても私はこの筋目をとおすだろう」と解説しています。
 そして、内田氏はその節の中盤でこうまとめます。

 どうやら孟子は「恐れない」ことだけでなく「恐れる」ことにも勇気は必要だという孔子の両義的で多層的な教えの方に叡智の深みを見いだしているようです。(中略)北宮黝(ほくきゅうゆう)タイプのタフガイを「勇気のある人」と呼ぶべきか、こちらが間違っていたら、「すみません」と謝ることができる孔子モデルを「勇気のある人」と呼びべきか。さて、どうなんでしょう。
 孟子は弟子の公孫丑(こうそんちゅう)にも読者にも「勇気問題」に即答することを求めているわけではありません。もちろん、「正解」を教える気もない。世の中にはこういう人もいるし、こういう人もいる。どちらが「勇気のある人」であるか、なぜそう判断できるのか、それは自分で考えなさい、と。いわば「オープンクエスチョン」として「勇気問題」を人々の前に差し出しているのです。

 さて、紫苑祭の運営だけでなく、世の中には正解のある問いなど、正解がある問いに比べてはるかに少ないということは皆さんも承知しているでしょう。
 学校での学習は、そうした問題に立ち向かう力をつけるためにあります。
 ですから、皆さんには是非、安易に答えを求めることなく、じっくり考える姿勢を引き続き持ってほしいと思っています。
 ただ、三年生はそんな暇はないと言うかもしれません。そこはバランス良く、じっくり考えるべきことには時間をかけ、先にどんどん進めてよいものはすぐに手をつけるというタイムマネジメントをしてください。ふと、立ち止まってしまったときは、じっくり考える時間なのかもと思い至る余裕も欲しいものです。
 また、1,2年生も学校行事等の中心として活躍していく時期になりました。よく考え、様々な力を身につけ、多くの場所で活躍することを期待しています。後期も頑張っていきましょう。

参考文献 内田樹著「勇気論」 株式会社光文社発行