2022年3月の記事一覧
校長日記(最終号) 令和3年度終業式にて
3月24日(木)リモートによる終業式が各HRにて実施されました。なかなか対面での集会を行うことができない日々が続きますが、生徒の皆さんは、今年度を振り返り、新たな年度の準備を行い、次へのステップに進んで欲しいと思います。まずは校長講話(下段参照)に続き、進路指導主事・武藤先生からユーモアを交えた講話をいただきました。ある企業で開発された商品を例に、「気づき」の大切さを話していただきました。また、生徒指導主任・野中先生からは、「川女生としての「自覚」と「誇り」を意識した生活を送りましょう」という観点から、スラックスの導入・ネット被害防止・不審者被害防止・自動車運転免許取得の手続などについてお話をいただきました。また、「当たり前のようで難しいこと」の9つの文言のお話もされました。
春は出逢いと別れの季節でもあります。校長として3年間お世話になった川女も、私は卒業となります。これまで3年間にわたり数々の叱咤激励をいただき、充実した3年間を川女生と過ごすことができました。また「校長日記」をご覧いただき、誠にありがとうございました。これからも発展・飛躍し続ける川女への応援を引き続きよろしくお願いします。
《 令和3年度終業式・校長講話概要 》
皆さん、おはようございます。在校生の皆さんには、「当たり前の川女生活」を経験する機会が制限されてしまい、歯がゆいとともに、申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし、思い切りハレルヤを体育館で歌い、大声で体育祭の応援合戦で競い合い、紫苑祭で1万5千を超える方々を迎え入れ、我慢することなく堂々と早弁をする、そんな日は必ず来ると信じています。それまでは、今しばらく、緊張感をもって日々過ごしていきましょう。
さて、今私たちは、当たり前のことが出来ない状況の中にいます。だからこそ、出来ないことを嘆くのではなく、少しでも出来ることを味わう姿勢が大切だと思います。また、当たり前のことが出来ていたことを、「ありがたい」と感謝する気持ちを持ち続けることも、同じように大切だと思います。こんなご時世であるからこそ、「当たり前のことができる自由」について考える必要があると思います。
本日は、この「自由」ということについて、お話をしたいと思います。「自由」という言葉は、慶応義塾を創立した福沢諭吉翁が英語を翻訳し、一般的に広まった言葉とされています。また、「自由」に相当する英語は2つあります。1つはFREEDOM、もう1つはLIBERTYです。辞書によれば、FREEDOMとは「the condition or right of being able to do without being controlled or limited」と定義されています。つまり、「支配や拘束を受けず、自らの意思で行動する自由」です。一方、LIBERTYとは「the freedom and the right without asking permission」と定義されています。つまり、「誰かの許可なく自分の意思で行動する自由」・「様々な闘いなどを通じて手に入れた自由」です。このように、同じ「自由」という言葉でも、FREEDOMは「元々あった自然権としての自由」、LIBERTYは「後から手に入れた自由」という、それぞれ異なった概念の「自由」ということです。例えば、「学問の自由」は「人は誰でも学ぶ自由がある」ので、英語ではACADEMIC FREEDOMという表現になり、FREEDOMという単語を使います。一方、1776年アメリカ合衆国・独立の象徴としての「自由の女神」は、英語ではthe Statue of LIBERTYという表現になり、勝ち取った自由という意味で、LIBERTYという単語を使います。
本日は、FREEDOMとLIBERTYをとおして、「自由」という言葉について、お話をしました。
川女生である皆さんには、どんな状況下においても、ACADEMIC FREEDOM「学問の自由」を謳歌し、学び続けて欲しいと願っています。そして、私は3年間にわたり皆さんに伝えてきましたが、学びを自分だけのものにしないで、学んだスキルや知識を社会に還元して欲しいと思います。そのために、今は学びに貪欲になり、様々なスキルや知識を身につけて欲しいと思います。そして、やがては、その力を社会に返して欲しいと思います。それが、皆さん川女生の使命・ミッションです。数年後、ますます成長した皆さんに会えることを楽しみにしています。これで、私の川女での最後の講話とします。皆さん、ありがとうございました。お元気でいらしてください。
校長日記 入学許可候補者説明会にて
3月18日(金)見事に合格された入学許可候補者を対象とした「入学許可候補者説明会」が本校体育館にて行われました。感染防止対策のため、時間を分けて、前半・後半の2回の説明会となりました。まずは、本校・清水教頭から学校概況や今後の川女生としての心構えなどについて説明をさせていただきました。
生憎の天候の中でしたが、笑顔で挨拶を交わす候補者の生徒さんたちが印象的でした。これから始まる川女生活、希望と期待に溢れ、充実した生活になりますように願っています。
校長日記 第74回卒業式にて
3月16日(水)本校体育館にて、保護者(各家庭1名)及びPTA会長の御臨席のもと、第74回卒業証書授与式が挙行されました。朝方は肌寒さを感じましたが、次第に快晴の天候となり、卒業生は晴れやかな気持ちで学び舎から巣立っていきました。
感染症防止対策のため、1・2年生は自宅にてオンライン中継となりましたが、先輩たちの姿を目に焼き付けることができたと思います。卒業証書授与に続き、校長式辞(概要・参照)となり、新井PTA会長様から心温まるご祝辞をいただきました。
続く送辞では、在校生を代表して2年生・土屋さんが先輩への思いや門出を祝う温かい言葉を述べました。そして、卒業生を代表して、3年生・佐々木さんが答辞として、お世話になった方々へのお礼・これからの希望などを述べました。川女での3年間の貴重な経験を活かし、さらなる飛躍をお祈りします。
《 第74回卒業証書授与式・式辞 概要 》
寒さ厳しい冬も終わり、校舎の木々に春を感じる季節となりました。ここに、埼玉県立川越女子高等学校 第74回卒業証書授与式を挙行できますことは、私たち教職員にとりまして、大きな喜びであります。保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。これまで、心温まる御支援と御協力を賜りましたことに、心より感謝申し上げます。
ただ今、361名の皆さんに卒業証書を授与しました。本校に入学以来、不断の努力を重ねてきた卒業生の皆さんに敬意を表し、教職員を代表して、お祝いを申し上げます。
皆さんは平成31年4月8日、この川越女子高校に入学されました。入学式で私が申し上げた「3つの言葉」を覚えているでしょうか。「時間を使い尽くすこと」「人との出逢いを大切にすること」「自主自律の実践をすること」の3つを申し上げました。皆さんは、この3年間の川女での生活において、「何事にも一生懸命に取り組み、十分時間を使い尽くした」と思います。また、「多くの仲間や先輩方と出逢い、かけがいのない友と巡り合う」ことができました。さらに、予期せぬ制限・制約にもかかわらず、時には心が折れそうな中、「学校行事や部活動において、自主自律の実践を見事に果たした」と思います。
さらなる学びに繋げるために、新たな3つの「標(しるべ)となる言葉」を贈ります。それは「先見力」「実践力」「世界的視野」です。まず、卒業生の皆さんには、「先見力」に磨きをかけて欲しいと思います。「先見力」とは、「先を見通す力」にとどまらず、豊富な知識や経験を蓄え、常に慎重に物事を見極める力、すなわち、「物事の本質を見る力」のことです。今日の情報化社会において、正確な情報を集約・整理し、「真実を見抜く力」を身に付けて欲しいと願っています。そのために、学び続けてください。2つ目は、「実践力」にも磨きをかけて欲しいと思います。「実践力」とは、学んだ知識を実践・活用する力のことです。知識を蓄積することに満足して終わりではなく、率先して行動・実践し、「学んだことを社会に還元する力」を身に付けて欲しいと願っています。適切な判断のもとで行動できるために、これからも学び続けてください。そして3つ目は、「世界的視野」にも磨きをかけて欲しいと思います。「世界的視野」とは、自分とは異なる価値観を受け入れ、その価値観を理解する力のことです。今日の多様化した(ダイバーシティ)の社会において、異なる考え方を持つ人・地域・国の文化などを深く理解し、リスペクトする力を身に付けて欲しいと願っています。そのためにも、学びを止めないでください。
ところで、この3つの標を掲げ、日本最大規模の藩校・水戸弘道館を開校したのは、9代藩主の徳川斉昭です。明治維新の足音が聞こえてくる日本の混沌とした時代において、「先見力」「実践力」「世界的視野」をモットーに、彼は多くの優れた人材を育てました。最後の将軍である徳川慶喜も、その一人です。余談になりますが、徳川慶喜に寵愛されたのは、あの渋沢栄一翁です。その渋沢栄一翁は、奨学金の団体組織である「埼玉学生誘掖(ゆうえき)会」の会頭として来校され、本校の卒業式において来賓祝辞を述べた、と記録にあります。
卒業生の皆さん、そのような歴史と伝統のある川女での生活に、間もなく終止符が打たれます。いよいよ旅立ちの時がやって参りました。川女で学んだことを誇りに思い、何よりも川女生であったことを矜持として、ますますのご活躍を祈っています。本日は、ご卒業おめでとうございます。
令和4年 3月16日 埼玉県立川越女子高等学校 校長 桑原 浩
校長日記 「送別会」にて
3月15日(火)時差ではありましたが、久しぶりに全校登校日となり、3年生の先輩方に感謝の気持ちを伝える「送別会」が行われました。集会形式ではなく、すべてオンライン(meetや動画)を活用した各クラスでの会となりました。まずは、3年生(卒業生)による記念品贈呈が行われ、在校生・職員を代表して校長が卒業記念品(目録)を受領させていただきました。オンライン化が進む中、教室に装備する「遮光カーテン」をいただきました。大切に使わせていただきたいと思います。
記念品贈呈に続き、送別委員会による企画が始まりました。3年生の先生方に関するクイズ・歌詞動画・部活動発表動画・生徒会動画と続き、最後に3年生の先生方による「3年団動画」が流れ、とても盛り上がりました。明日は、いよいよ卒業式です。在校生は参加できませんが、本日の送別会を通して、後輩たちの卒業生への思いが伝わったことと思います。
校長日記 1年生対象「進路懇談会」にて
3月10日(木)1学年を対象とした「進路懇談会」が今年度も予定どおり行われ、36名(+1名はオンライン)の本校卒業生(大学3年生)が来校され、後輩たちのために様々な話をいただきました。まずは、会議室(控室)にて顔合わせ、打ち合わせ会を行い、各会場(分散会)へと向かっていきました。
今回の進路懇談会は、分野別(医歯薬・理学・工学・教育・国際・文・法など)に分かれ、生徒の希望する懇談会に参加する、という形式で企画・運営されました。今の大学生活の様子(学校紹介・専攻内容など)が話題の中心となりましたが、川女時代のことにも触れながら、「学ぶということ」「進路選択とは」など、実体験に基づきながら、時にはユーモアを交え、貴重なお話をしていただきました。
先輩方の貴重なお話・助言に耳を傾け、時には頷き、時にはメモをとる川女生たち。また、積極的に質問をする川女生の姿もみかけました。「数年後の自分」をイメージしながら、今やるべきこと・これからやるべきこと等について、考える機会となったことと思います。来校された先輩方は、後輩に向けて熱いメッセージを送っていただきました。ご多用の中、来校いただき感謝いたします。先輩方のますますのご活躍をお祈りしています。
校長日記 合格(入学許可候補者)発表にて
3月4日(金)9:00よりWEB、10:00より本校掲示板にて、令和4年度入学許可候補者(合格)発表が行われました。感染防止対応のため、合格を確認した中学生の皆さんは、2会場(分散会場)にて、配布された入学に関する必要書類を受領しました。また、受領後には掲示板の前で記念写真を撮る姿が見られました。
見事に合格された皆さん、誠におめでとうございます。4月からはいよいよ「川女生」として、新しい一歩を踏み出します。教職員・在校生一同、皆さんのご入学を心待ちにしています。健康には十分留意され、実りある濃い高校生活を送りましょう。
校長日記 第五考査はじまる。
3月2日(水)本日から第五考査が始まりました。学力検査のため数日間家庭研修でしたが、久しぶりに登校となり、川女生たちは今年度最後となる考査に臨んでいます。まだまだ制約・制限のある生活は続いていますが、今年度の学びの成果を一人一人が発揮できることを期待しています。
昨日は、3年生を対象とした「国公立後期受験・激励会」が行われ、「これまで川女で学んできたという誇りと自信をもって臨もう」と話をしました。全ての川女生には、これからやってくる春を迎えるため、最善を尽くして邁進して欲しいと願っています。