2021年3月の記事一覧

校長日記 教職員対象研修会(交流会)にて

3月23日(火)終業式を終え、新クラス教室の整備(下足等の入替)も終了した放課後、先生方を対象とした研修会(交流会)が校内で行われました。今年度後半に立ち上がった「将来構想委員会」の企画・運営によるもので、「卒業までに育てたい力」について、お互いに意見を交換しました。なかなか、本音で語り合う機会がない多忙な中ですが、時間を共有し大勢の先生方が集まり、テーマに沿いながらグループ間で協議を行いました。

こんな力かな この力も大事 なるほど

意見を付箋につけて発表 色々な意見が出ました 盛り上がる研修会

「忍耐力」「俯瞰力」「体力」「知力」「精神力」「向上心」「質問する力」などなど様々な意見を出し合い、お互いに発表し合いながら、各人が考える「川女生への期待」を知る機会となりました。密を避けるため、会議室および第一多目的室に分かれての交流会でしたが、大きな収穫があったことと思います。これからも、「川女の将来がどうあるべきか」を模索しながら、「さらなる川女」を目指していきたいと思います。生徒の皆さんも、ぜひ「身に付けたい力」について考えてみてはいかがでしょうか。

 今回をもって今年度の「校長日記」は終わりとします。ご覧になっていただき感謝します。「先生、観てます」「ニュースを早く知れて嬉しい」といった励ましの言葉を沢山いただきました。また新年度も、どうぞ宜しくお願いします。

校長日記 令和2年度終業式にて

3月23日(火)令和2年度終業式がリモート(Meet)形式により、各HR教室において実施されました。冒頭において、校歌(歌詞入り)が流れ、まずは心を整えて終業式を迎えました。校長講話(下段参照)に続き、進路指導部・生徒指導部から講話をいただきました。武藤進路指導主事からは、「共通テスト導入に伴い、浪人生が全国的に減少し(10万人から8万人)、現役生には有利に働いたであろう。全体的には、日常生活から課題をみつけ解決する力、学習過程を意識した問題解決力が求められ、ますます日頃の授業が重要になってきた」というお話をいただきました。また、国公立・私立の入試傾向分析について、個々の事例を挙げながら細やかなお話をいただきました。野中生徒指導主任からは、予め配布された資料(プリント)を活用しながら、制服の着こなし方・痴漢等被害防止・インターネット過剰使用防止・紛失盗難防止などについて、お話をいただきました。また、「後悔は過去を変えようとすること。反省は未来を変えようとすること。未来は変えられる」という内容を論語を引用しながらお話されました。新年度には、また皆さんの元気な笑顔に会えることを楽しみしています。

校長の講話の様子 武藤進路指導主事の講話 野中生徒指導主任の講話

 

《 終業式・校長講話 概要》
 6月に学校が再開したものの、様々な制限や制約は無くなっていません。しかし、皆さんはこれまで、様々な感染防止対策の徹底を行ってきました。本当によく頑張ってきたと思います。
 3月16日には、393名の3年生が川女を旅立っていきました。先輩方の意思を引き継ぎ、さらなる在校生の皆さんの飛躍を期待しています。
 さて、最近まで話題になっていた言葉があります。それは、「風の時代」という言葉です。西洋では、12の星座を「火・地・風・水」という4つのエレメントに分類し、およそ200年ごとに4つのエレメントが変わっていきます。12月22日に「木星と土星」が最接近する「Great Conjunction」が起きました。それを機に、「風の時代」が始まったとされています。
 これからの「風の時代」では、5つの考え方が「新しい価値観」となっていきます。本日は、その「5つの新しい価値観」の中から、2つの新しい価値観を紹介したいと思います。
まずは、「物を所有するよりも所有しない」という考え方です。平たく言えば、「共有(シェア)する時代」の到来です。ある意味、今話題の渋沢栄一翁の「道徳経済合一」説に通じる考え方と言えるでしょう。富を自分のものだけにしないで、皆で分かち合うことが善となる社会の到来です。学校教育における「学び合い学習」も、「風の時代」には合っているのかも知れません。
 そして、もう1つは「縦社会から対等な社会への変化」です。すなわち、「組織から個の時代」の到来です。しかし、組織を無くして、すべて個に任せていく、ということではありません。個を重んじることで大切なことは、お互いに個が尊重し合いながら、自己主張はしっかりしていく、ということです。つまり、多様性(ダイバシティ)をお互いに意識しながら、時には相手を受け入れていく柔軟性が、極めて重要ということです。「縦社会から対等な社会」における「対等」とは、お互いにリスペクトし合うということです。
さて、新しい時代に入り、皆さんは何をすべきだと思いますか。これからの時代は、新しい価値観に自分を合わせていくのではなく、「自分軸」を創ることが大切です。「自分らしい生き方」「自分らしい考え方」「自分らしい振る舞い」といった「自分軸」をしっかり創ることを意識しながら、これからの川女での生活を過ごして欲しいと願っています。様々な人と出逢い、様々なものを学び続けて欲しいと思います。
4月からは、皆さんは新入生を迎えます。皆さんがそうだったように、後輩が憧れるような先輩・川女生になって欲しいと思います。

 

校長日記 刺激のある一日

3月19日(金)1・2年生ではそれぞれ学年行事を行いました。2年生は「進路懇談会」を行い、3月16日に卒業したばかりの先輩を招いて、進路選択・大学入試対応・その他の悩み等について、情報を共有する機会となりました。

進路指導主事から卒業生へ 先輩が語る 円になって話す

先輩からのメッセージ 医歯薬系の話 熱心にメモをとる

国立・私立、医歯薬系・工学理学系、教育系・社会学系等、様々なジャンルでの分科会形式により、体験談を語る先輩たちの話に2年生たちは真剣に聴き入って、メモを一生懸命にとっていました。大きな大きな刺激になったと思います。

自分の体験を語る 高校生活を振り返る 夢を語る

そして体育館などでは、1年生が「課題研究発表会」を行いました。理系・文系にとらわれず、自分たちの興味関心のあるトピックを研究課題に設定し、グループで研究を続け、本日は全体での発表会となりました。学年の先生方をはじめ、多くの先生方が発表活動を見守りました。

緊張しながら発表 発表する喜び 先生から質問責め

「虹色の研究」「感動する動画」「白雪姫の変化」「ミョウバンの研究」「羅生門の魅力」等、色鮮やかな発表ポスターを活用しながら、一生懸命に発表する姿がありました。仮説をたて、アンケートを実施し、考察を行うというサイクルを通して、物事を論理的に考える力や発信する力に磨きがかかったと思います。どの発表も刺激的なものばかりでした。

生徒同士の発表 さあ、どうとらえるか 難しいテーマですね

先生の質問に答える そこら中で発表会 なるほど。。

 

 

校長日記 令和3年度入学許可候補者・説明会にて

3月18日(木)令和3年度入学者選抜において、見事に合格となった入学許可候補者を対象とした説明会が本校体育館にて行われました。受検番号で前半・後半に分散し、同じ内容の説明会を2回実施いたしました。正門前の桜並木の桜の蕾が大きくなり、開花を待つ中、次々と候補者が保護者(各家庭1名)と共に来校されました。

体育館の受付にて さあ、始まります ワクワクの時

全体会の様子 教頭による説明 参加された方々

事務関係の説明 熱心に資料を見る 生活について

中学校での卒業式を終え、本日は入学説明会。目まぐるしい日々が続いていますが、少しずつ高校生になる自覚と心構えを持ち、これからの川女生活の準備を進めていって欲しいと思います。健康管理をしっかりと行い、4月7日(火)の入学式に会うことを楽しみにしています。皆さんのご入学を心から歓迎いたします。

 

校長日記 第73回卒業証書授与式にて

3月16日(火)第73回卒業証書授与式が行われ、卒業生393名が学び舎・川女を旅立っていきました。様々な制約の中でしたが、在校生による事前の準備、保護者の御協力もあり、川越女子高校らしい卒業式となりました。

入場を待つ卒業生 ステージの様子 卒業生の入場

卒業証書授与の時 393名の卒業生 校長の式辞

保護者1名・座席1席空け・手指消毒設備・時差入場・換気徹底など、感染対策を講じながらの卒業式となりました。開式の言葉ではじまり、静粛な雰囲気の中、国歌・卒業証書授与・式辞(下段参照)と進みました。そして、在校生代表(2-2佐々木華さん)の卒業生への感謝の気持ちを織り込んだ送辞と続きました。そして、卒業生代表(3-1岡田凜さん)の川女や後輩への熱い思い、両親への感謝という気持ちのこもった答辞。「貴女がいて良かった、と思われる人」になります、という言葉が印象的でした。

答辞の様子 さあ、お別れの時 お見送り

天候にも恵まれ、保護者や先生方に見送られ、晴れやかな卒業式・旅立ちの日となりました。在校生の参加は叶いませんでしたが、皆で卒業生を送り出した素晴らしい式でした。ステージ操作等でサポートいただいた放送部・演劇部の皆さんにも感謝いたします。卒業生に幸あれ。

《番外編》

看板が登場 皆川学年主任と共に 温かいメッセージ

正門付近に立て看板(メッセージボード)出現、という情報を得て確認したところ、学校隣接のディサービス(りこ)さんからの贈り物と判明。早速、皆川学年主任と小野事務室長と3人でご挨拶・お礼に伺いました。利用者さん(高齢の方々)が作成したボードだそうです。ボードに気が付いた卒業生のメッセージがたくさん書かれていました。温かい贈り物、本当に感謝します。地域の皆様方にも川女が愛されていることを実感しました。

 

第七十三回卒業証書授与式・式辞(概要)
               
 この佳き日に、保護者の皆様の御臨席を賜り、ここに埼玉県立川越女子高等学校第七十三回卒業証書授与式を挙行できますことは、私たち教職員にとりまして、大きな喜びであります。保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
 ただ今、393名の皆さんに卒業証書を授与しました。本校に入学以来、不断の努力を重ねてきた卒業生の皆さんに敬意を表し、教職員を代表して、お祝いと餞(はなむけ)の言葉を申し上げます。
 本日は卒業証書授与式という、いわば最後の授業です。この最後の授業をもって、川女での生活に終止符が打たれます。旅立つ皆さんを見届けることは、大変嬉しくもあり、大変寂しくもあります。本日、卒業を迎えられた皆さんに、三つお話をします。
 まず、第一は、これからも「学び」を止めないで欲しい、ということです。「学び」は何も学問に限ったことではありません。興味関心を持ちながら、知識や知恵を蓄えて欲しい、と思います。十六世紀から十七世紀に活躍したイギリスの哲学者・政治家であるフランシスコ・ベーコンのいう『scientia est potentia』、すなわち「知は力なり」を実践していくことを皆さんに期待しています。ベーコンの活躍しはじめたヨーロッパは、感染症「ペスト」の第二次パンデミックの真っ只中でした。その後パンデミックは収束しますが、収束の力となったのは、ある意味で、『scientia est potentia(知は力なり)』の実践の賜物であったと確信しています。
 第二は、「出逢い」を大切にして欲しい、ということです。私は、「出逢い」は偶然でなく必然だと考えます。今から三年前、平成三十年四月九日に皆さんは川女に入学され、沢山の「出逢い」を経験してきました。「出逢い」を通して、共に喜び感動し、励まし合い助け合ってきたことでしょう。しかし、その「出逢い」は偶然だったのでしょうか。自ら努力し、自己を高めていく中で、誰かが寄り添ってくれたのではないでしょうか。魅力ある人には、人が集まってきます。これからも、自分を磨きつつ、「出逢い」を大切にして欲しい、と願っています。
 そして、第三は、「失敗」を恐れないで欲しい、ということです。恐れるどころか、「失敗」を楽しんで欲しい、と思います。失敗の繰り返しの先には、必ず「成功」が待っています。渋沢栄一翁は、晩年次のように語っています。「若い時に失敗を繰り返していくことで、晩年が充実して過ごすことができるようになる。晩年が充実して美しく過ごせば、その人の価値はあがるものだ」この言葉は漢詩の書として、今も保存されています。卒業生の皆さん、どうか若い時期だからこそ、失敗を恐れず、困難な課題にも果敢に挑み続けて欲しい、と思います。
 結びに、先ほど紹介した渋沢栄一翁の言葉を添えて、式辞といたします。
 『天意重夕陽人間貴晩成』(天意夕陽(せきよう)ヲ重ジ、人間晩成ヲ貴(たっと)ブ)
令和三年 三月十六日  埼玉県立川越女子高等学校 校長 桑原 浩