校長日誌 全校集会

令和4年12月23日(金)全校集会を行いました。校長講話に続き、進路指導主任からは令和5年度大学入試の出願予想状況などを踏まえた3年生へのエールを、生徒指導主任からは自転車事故防止、痴漢被害対策、著作権侵害、生徒心得などについて話しがありました。また、高校生自転車安全講習会に参加した生徒が当日配布されたリーフレットを元に、講習会の伝達を行うとともに安全運転やヘルメットの着用などについて呼びかけました。
全校集会後は、先日行われた吹奏楽アンサンブルコンテスト埼玉県大会で金賞を受賞し、西関東大会へ駒を進めた吹奏楽部員に対する壮行会が行われました。西関東大会でも素晴らしい演奏をしてください。応援しています。

リモートで行いました 進路指導主任講話 自転車安全講習会伝達
生徒指導主任講話 壮行会 生徒会長から激励 壮行会 激励の花束贈呈

 

以下は全校集会での校長講話の概要です。表示されない場合は<続きを読む>をクリックしてください。

 

校長講話概要

 皆さん、おはようございます。年末の全校集会です。様々なことがあった2022年もあと数日です。

 2年生の修学旅行のハプニングの元となった清水寺で揮毫された今年の一文字は戦でした。ロシアによるウクライナ侵攻 などの戦争、冬季北京オリンピック、FIFAワールドカップなどスポーツの戦い、物価上昇で家計が戦々恐々などの理由が挙げられています。もちろん、今年も新型コロナウイルス感染症との戦いは続いています。

 ただ、この戦いは3年前からとは少し様相が変わりました。感染症の増加を防ぎながら経済活動を維持するという背反な事象を同時に行うという戦いになったのです。

 学校においても同様です。対面での授業を続けたい、学校行事や部活動をコロナ前になるべく戻したい、という教育活動の維持と感染者増を防ぐという二律背反の要請に応えなければならないのです。

 こうした中、考査中にもかかわらず、先週1年生の学年閉鎖をしなくてはなりませんでした。私の中に油断があったのではないか、判断の誤りがあったのではないかと猛省しているところです。

 さて、このようにどちらも誤っておらず、どちらかを徹底すると一方は立ち行かなくなるという解決に微妙なバランス感覚を必要とする問題は、コロナ対応に限ったことではありません。VUCAの時代と言われて久しいですが、そもそも社会には白黒つけられる事象はほぼないのです。

 白黒つけたくなる気持ちは誰にもあるものです。その方が楽ですから。しかし、人はひとりひとり異なる事情を抱え、異なる人生を歩み、異なる考えを持っています。あなたが白だと思っていることは、別のある人にとっては黒と言うことはしばしばあることです。黒だという人の事情を理解することが二律背反を両立せよという要請に対応するためには最も必要な力です。

 それができるようになるには、「考える」トレーニングが必要です。前回の全校集会でエンパシーは後天的な能力だと言う話をしました。日頃から意識して考えることが大切だとお話しました。混沌とした現代社会をバランスを保ちながらより快適に生きるには、面倒でも「考える」ことです。

 ここで、「考える」訓練のための本を一冊紹介します。池田晶子著「14歳からの哲学」です。副題に「考えるための教科書」とあるだけに、読者にこれでもかと考えさせてくれます。20年前に出版された本ですが、全く色あせていない内容です。時間のあるときに是非手に取って読んでみてください。

 さて、清水寺の今年の一文字は「戦」でしたが、先日川越八幡宮で本校の書道部生徒が揮毫した川越希望の一文字は「輝」でした。コロナとの戦いが終息し、輝ける未来が到来するといいと思っています。

 そして、川女皆さんの来年が輝ける年となるように、特に、受験を控えた3年生には、免疫力を維持するためにしっかり食べて、しっかり寝ることを心がけながら、しっかり勉強して、より輝ける2023年となるようにお祈りしています。

 では、年明けに笑顔でお会いしましょう。

川越希望の一文字