校長日誌 全校集会

令和7年7月18日(金)全校集会を行いました。暑い時期なので、オンラインでの実施です。校長講話の後、進路指導主任から、強い野球部の練習への取組を例に、「質にこだわった学習を」という内容の講話をし、生徒指導主任からは、ローマ皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスの「自省録」を元に、よりよい人間関係の作り方と下校時刻の厳守など時間を守ることなどについて講話をしました。

校長講話 進路指導主任講話 生徒指導主任講話

校長講話の要旨は以下のとおりです。表示されていない場合は<続きを読む>をクリック(タップ)してください。

 

校長講話要旨

 皆さん、おはようございます。明日から夏休みとなります。補講や部活動で忙しいとは思いますが、時間をうまくやりくりして1月半を有意義に過ごしてください。夏休みに入ってすぐ、明後日には参議院議員選挙があります。

 様々なメディアを介して各候補者は様々な主張をし、有権者に訴えています。あまり政治には興味が無いという人でも、色んな主義主張があるということは承知していると思います。

 候補者によって主張していることが正反対で、普通に考えると相容れることはないだろうというものも数多くあります。でも、どれかの主張が多数を占めると言うことはなさそうだとの報道ですから、今後、国会ではいくつもの法案で、異なる主張が数の上では均衡したまま、議論されることになりそうです。うまくまとまるのでしょうか?

 さて、昨今、多様性というのが大きな社会課題として取り上げられます。自国第一主義を掲げ、排他的な政策をとる国が多くなっている一方、多様性の重要性はいたるところで述べられています。多様性というと、異文化との共存と考える人も多いと思いますが、日本人だけの集団の中にも多様性は存在します。そもそも、一人一人が別人格で異なる考えを持っているからです。

 異なる考え方の人と同じ集団の中で協調して物事を進めて行くことは国会と同様、日常生活でも大変だということは、皆さん、経験や想像で容易に理解できるでしょう。

 以前、益 一哉 元東京工業大学長が「多様性を維持するのはとても面倒くさい」とあるパネルディスカッションで言っていました。そして、こう付け加えました。「でも、それを乗り越えなくてはイノベーションは生まれない」と。

 均一な集団は居心地は良いですが、進化と発展、自身の成長は見込めません。そして、多様な集団を維持するには、他を思いやり、気遣いながら対話を重ねること、自分自身も大切にすることなど、多くのスキルが1人1人に必要になります。

 そのスキルは生まれ持った能力ではありません。日常に溢れる多様性の中で、皆さんが試行錯誤して身につけるものです。

 先日、本県出身の芥川賞作家 九段理恵 さんの講演を聞く機会がありました。タイトルは「対話を終わらせないために」でした。講演の終わりに、九段さんは、対話を続けるためには、確信(正解)を持たない勇気を持つこと。そのためには疑い、問い続ける忍耐が必要であること。また、衝突・対立が生まれる豊かさを祝福すること。異なる物語を共有、調和させることが重要なのだとお話ししていました。

 多様性の中で協調できるスキルを磨くためのヒントになる話だと思ったので紹介しました。

 さて、週末の選挙の行方が気になります。選挙権を持つ生徒の皆さんは、自分の未来を左右する大切な選挙ですから、多様な視点で各主張を考察し、貴重な権利を有効に行使してもらいたいと思います。その行く末は、明るい未来だと信じています。

 では、夏休み、健康に留意して、事故に遭わないようにして過ごしてください。夏休み明けにお互い元気な姿で再開できることを楽しみにしています。