校長日誌 入学式
令和7年4月8日(火)桜が満開で好天に恵まれた本日、入学式を行いました。フルート二重奏の生演奏で新入生が入場し、入場後の奏楽ハレルヤでは弦楽オーケストラ部の生演奏に音楽部及び2年生のコーラスと荘厳で厳粛な入学式となりました。改めて新入生の皆さん、入学おめでとうございます。楽しくそして実りある高校生活となるよう、私たち教職員は皆さんのことを支援しますので、新入生の皆さんも背伸びしすぎないようにしながら様々なものにチャレンジして自らを高めていってください。
好天に恵まれました | フルート二重奏 | 新入生入場 |
弦楽オーケストラ部 | 奏楽 | 誓いの言葉 |
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式辞要旨
校門の前の桜が満開となった今日の良き日、意欲に満ちた三五八名の新入生を迎え、埼玉県立川越女子高等学校令和七年度入学式を挙行できますことは、教職員一同にとりましても大きな慶びであります。
入学式挙行にあたり、PTA会長様をはじめとする御来賓の皆様、新入生の御家族の皆様の御臨席を賜り、心から御礼申し上げます。
ただ今、入学を許可しました新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員一同、皆さんを心から歓迎します。一緒に充実した川女生活を築いていきましょう。
皆さんご承知のとおり、この川越女子高等学校は、明治三十九年に町立川越高等女学校として設立され、町立から数えると百二十年目を迎える、県下でも有数の歴史と伝統のある女子高です。その歴史と伝統を受け継ぎつつ、現在は「学力の向上」と「人格の陶冶」を教育活動の柱として、生徒が主体的に学ぶ「質の高い授業」の創造に取り組んでいます。
「学力の向上」に向けては、文部科学省から指定されている「スーパーサイエンスハイスクール」の各事業や、新聞を活用した学習、主体的・対話的で深い学びの実践など多彩な教育プログラムを用意しています。新入生の皆さんは、こうしたプログラムを有効に活用して自らの学力を高めてください。
さて、先日、ノルウェー政府が京都大学特任教授 柏原正樹 氏に「数学のノーベル賞」と称されるアーベル賞を授与すると発表がありました。数学のカテゴリでは全く新しい発想とも言える「D加群の理論」を立て、数学の各種の研究を大きく進展させる基礎を築いたことが評価されたのです。この理論は数学の三つの分野「代数」「解析」「幾何」の橋渡しをする理論で、授与を決めたノルウェー科学文学アカデミーは「日本と南極を結ぶ壮大な橋のような、数学の世界をまたぐ壮大な橋を築いた」とその功績を讃えています。
数学というとすでに確立された学問のように感じるかもしれませんが、まだまだ未開拓の分野があります。数学に限らず、どの学問にもあるでしょう。こうしたフロンティアに立ち向かうには相当の覚悟と信念、そしてそれを楽しむ心が大切です。更に、柏原教授は受賞の記者会見で「多くの共同研究者に恵まれたことが、私の数学研究を豊かにしてくれた」と多くの人の支えと協力があって理論の構築ができたのだと言っています。数学というと、何か一人で考えているイメージかもしれませんが、どの研究分野においても、成果を出すには人とのつながりと協力が必要なのです。
これは研究に限ったことではありません。覚悟と信念、楽しむ心、仲間との協力は新しく始める生活をよりよいものとするためにとても重要な要素です。新入生の皆さんには、これらを心に留め、これから始まる川女生活で大きく成長することを期待しています。
御家族の皆様、本校へのお子様の御入学誠におめでとうございます。この場を借りて、御家族の皆様に毎年お願いしていることがございます。お子様は高校三年間で精神的に大きく成長します。また、多くの生徒が在校中に成年となります。高校生活は成年への最終準備段階です。お子様が健全な成年となるために、今、お子様と堅く握っている手を少しずつ離してください。ただ、まだ分別に欠ける部分もあるでしょうから、お子様から目は離さないようお願いします。目は離さず、手は離す、です。新入生の皆さんも、川女生として自立していくのだという気持ちを持って、この三年間を過ごしてください。教職員も一丸となり教育活動に取り組み、お子様の健全なる成長を支援して参りますので、御家族の皆様の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、御臨席を賜りました御来賓の皆様、御家族の皆様に改めて心から御礼申し上げますとともに、本日入学した新入生の皆さんが健康で実り多い学校生活を送ることができますよう祈念し、式辞といたします。
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