校長日記 令和2年度終業式にて
3月23日(火)令和2年度終業式がリモート(Meet)形式により、各HR教室において実施されました。冒頭において、校歌(歌詞入り)が流れ、まずは心を整えて終業式を迎えました。校長講話(下段参照)に続き、進路指導部・生徒指導部から講話をいただきました。武藤進路指導主事からは、「共通テスト導入に伴い、浪人生が全国的に減少し(10万人から8万人)、現役生には有利に働いたであろう。全体的には、日常生活から課題をみつけ解決する力、学習過程を意識した問題解決力が求められ、ますます日頃の授業が重要になってきた」というお話をいただきました。また、国公立・私立の入試傾向分析について、個々の事例を挙げながら細やかなお話をいただきました。野中生徒指導主任からは、予め配布された資料(プリント)を活用しながら、制服の着こなし方・痴漢等被害防止・インターネット過剰使用防止・紛失盗難防止などについて、お話をいただきました。また、「後悔は過去を変えようとすること。反省は未来を変えようとすること。未来は変えられる」という内容を論語を引用しながらお話されました。新年度には、また皆さんの元気な笑顔に会えることを楽しみしています。
《 終業式・校長講話 概要》
6月に学校が再開したものの、様々な制限や制約は無くなっていません。しかし、皆さんはこれまで、様々な感染防止対策の徹底を行ってきました。本当によく頑張ってきたと思います。
3月16日には、393名の3年生が川女を旅立っていきました。先輩方の意思を引き継ぎ、さらなる在校生の皆さんの飛躍を期待しています。
さて、最近まで話題になっていた言葉があります。それは、「風の時代」という言葉です。西洋では、12の星座を「火・地・風・水」という4つのエレメントに分類し、およそ200年ごとに4つのエレメントが変わっていきます。12月22日に「木星と土星」が最接近する「Great Conjunction」が起きました。それを機に、「風の時代」が始まったとされています。
これからの「風の時代」では、5つの考え方が「新しい価値観」となっていきます。本日は、その「5つの新しい価値観」の中から、2つの新しい価値観を紹介したいと思います。
まずは、「物を所有するよりも所有しない」という考え方です。平たく言えば、「共有(シェア)する時代」の到来です。ある意味、今話題の渋沢栄一翁の「道徳経済合一」説に通じる考え方と言えるでしょう。富を自分のものだけにしないで、皆で分かち合うことが善となる社会の到来です。学校教育における「学び合い学習」も、「風の時代」には合っているのかも知れません。
そして、もう1つは「縦社会から対等な社会への変化」です。すなわち、「組織から個の時代」の到来です。しかし、組織を無くして、すべて個に任せていく、ということではありません。個を重んじることで大切なことは、お互いに個が尊重し合いながら、自己主張はしっかりしていく、ということです。つまり、多様性(ダイバシティ)をお互いに意識しながら、時には相手を受け入れていく柔軟性が、極めて重要ということです。「縦社会から対等な社会」における「対等」とは、お互いにリスペクトし合うということです。
さて、新しい時代に入り、皆さんは何をすべきだと思いますか。これからの時代は、新しい価値観に自分を合わせていくのではなく、「自分軸」を創ることが大切です。「自分らしい生き方」「自分らしい考え方」「自分らしい振る舞い」といった「自分軸」をしっかり創ることを意識しながら、これからの川女での生活を過ごして欲しいと願っています。様々な人と出逢い、様々なものを学び続けて欲しいと思います。
4月からは、皆さんは新入生を迎えます。皆さんがそうだったように、後輩が憧れるような先輩・川女生になって欲しいと思います。