校長日誌 卒業証書授与式

令和8年3月16日(月)第78回川越女子高等学校卒業証書授与式を行いました。保護者の方、来賓の方に御臨席いただき、盛大で厳粛な式を行うことができました。 高校78回生の皆さん、おめでとうございます! 心からお祝いします。 これからは、川越女子高校の卒業生として誇りを持って、精一杯御活躍ください。いつまでも応援しています。

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式辞

 厳しい寒さを越え、校内の木々にも確かな春の息吹が感じられる今日の佳き日に、ご来賓の皆様、ご家族の皆様の御臨席を賜り、埼玉県立川越女子高等学校第七十八回卒業証書授与式を挙行できますことは、私たち教職員にとりまして、この上ない喜びであります。

 本日ご臨席を賜りました御来賓の皆様には、ご多用の中ご参列を賜り、心より御礼申し上げます。日頃より本校の教育活動に温かいご理解とご支援をお寄せいただいておりますことに、深く感謝申し上げます。

  また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。三年間、折に触れて励まし、静かに見守り続けてこられたご労苦に、衷心より敬意を表します。本日の晴れ姿は、何よりの喜びであろうと拝察いたします。

  そして、只今、卒業証書を授与いたしました三百四十八名の皆さん。ご卒業、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

 さて、昨年、本校卒業生で九州大学助教の中野知香(はるか)氏が、「第七回輝く女性研究者賞(ジュン・アシダ賞)」を受賞されました。本賞は、科学技術振興機構が優れた若手女性研究者に授与する、極めて栄誉ある賞です。

  中野先生は、東京湾から東南アジアに至る広範な海域において調査研究を主導され、海洋マイクロプラスチックの実態解明、検出法の開発、さらには国際標準化活動にまで尽力されました。加えて、開発途上国においても活用可能な安価で実効性の高い分析技術の確立に取り組まれるなど、その研究は地球規模の課題解決に資するものです。

  川女には、このように社会の未来を見据え、よりよいものとするために歩みを進めている卒業生が数多くおります。中野先生のご受賞は、その歩みの一端を示すものであり、本校にとっても大きな誇りです。

 皆さんが在学していたこの三年間、日本そして世界では、歓喜に沸く出来事がある一方で、深い悲しみや困難に直面する出来事もありました。国際的な祭典が人々を結びつける一方で、大規模な自然災害や紛争が平穏な日常を揺るがすこともありました。

  後の教科書に刻まれるであろう出来事を、皆さんは同時代の現実として体験してきました。私たちは、歴史の外に立つ存在ではなく、歴史そのものを形づくる時代の一員として生きています。

  しかしながら、歴史の大きな潮流の中にあっても、どのように生きるかを選ぶことができるのは、私たち自身にほかなりません。

  中野先生のように、社会全体に思いを巡らせ、そして自らの良心に照らして判断する――その日々の選択の積み重ねが、やがて社会の姿をかたちづくります。明るい未来は、遠い彼方にあるものではなく、私たち一人一人の内に芽生える意思から始まるのです。

  川女での三年間、皆さんは知性を磨き、感性を育み、互いを認め合いながら高め合ってきました。その積み重ねは、皆さんの内に確かな力となって息づいています。

  その力を持つ皆さんならば、自らの能力を存分に発揮し、人々がより安心して暮らすことのできる未来を築いていくことができるはずです。

  その未来に向かって、大きく、そしてしなやかに羽ばたいてください。

  皆さんの前途が洋々たるものでありますことを心より祈念し、式辞といたします。

令和8年3月16日
埼玉県立川越女子高等学校長 西野 博